蛋白合成阻害薬の解説の2つ目です。
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![蛋白合成阻害](https://www.road-to-pharmacist.online/wp-content/uploads/2022/12/4a2039cc7dbbbe60120a472e19a886b3-160x160.jpg)
上の記事で解説したように、蛋白合成阻害薬はその作用機序からリボソーム50Sサブユニットに結合するもの、30Sサブユニットに結合するものに大別することができます。
![蛋白合成阻害薬の作用機序](https://www.road-to-pharmacist.online/wp-content/uploads/2022/08/2aaed561f6b7af88c28e2404ff957d83.png)
今回はその中でもリボソーム50Sサブユニットに結合するリンコマイシン系薬、オキサゾリジノン系薬について解説します。
広義のマクロライド系薬であり、リンコマイシン、クリンダマイシンの2つが重要です。
作用機序や抗菌スペクトラム、体内動態などマクロライド系薬に類似しています。
![リンコマイシン系薬の構造](https://www.road-to-pharmacist.online/wp-content/uploads/2023/05/Road-to-Pharmacist-13.jpg)
クリンダマイシンは嫌気性菌に対する抗菌活性があり、また、ペニシリン耐性肺炎球菌にも優れた抗菌活性を示します。
嫌気性菌への抗菌活性が強いため、常在細菌叢を乱し、偽膜性大腸炎を誘発しやすいことに注意が必要です。
リネゾリド、テジゾリドがあります。
![オキサゾリジノン系薬の構造](https://www.road-to-pharmacist.online/wp-content/uploads/2023/05/Road-to-Pharmacist-14.jpg)
リネゾリドはバンコマイシン耐性腸球菌(VREF)感染症に適応を持っています。
作用は基本的に静菌的であり、既存の抗菌薬との間に交差耐性を示しません。
VREFとMRSAにのみ適応を持っていますが、他のグラム陽性菌に対する抗菌活性も有しています。
腸管からの吸収性が高く、注射と内服で同等の体内動態を示します。
つまり注射薬と経口薬で同用量投与が可能です。
また、腎障害、肝障害を有する患者においても投与量を変更する必要がないことも特徴です。
副作用として骨髄抑制(特に血小板減少)が起こる可能性があることから14日以上の投与には注意が必要です。
テジゾリドは近年新たに開発されたオキサゾリジノン系薬です。
テジゾリドはリネゾリドに比べて抗菌活性が強く、血小板減少の副作用は起きにくいと言われています。
もう少し詳しくはこちらもごらんください。
今回は蛋白合成阻害薬の中でもリボソーム50Sサブユニットに結合し作用する薬剤、とりわけリンコマイシン系薬とオキサゾリジノン系薬について解説しました。
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![](https://www.road-to-pharmacist.online/wp-content/uploads/2022/07/69409a7ad7f7b06cc15ef3273d03ef54-160x160.jpg)
ぜひこれらの関連問題も解いてみてください。
最後までご覧いただきありがとうございました。